1984年 ─まんがで読破─

1984年 ─まんがで読破─

1984年 ─まんがで読破─

全体主義怖い。

社会を構成するグループを3つに分けて目的を書いているのは面白い。
上位層の目的は現状を維持すること、中間層の目的は上位層と入れ替わること、下位層は目的があるとすれば平等な社会の実現とありました。

前に読んだ共産党宣言では、労働者と資本家といった2つの構造でしたが、今回は違いますね。
共産党宣言は、労働者による革命なので下位層による社会構造の破壊でしたが、こっちは、上位層による権力を維持するためのお話ですね。

中間層の目的は上位層と入れ替わることなので、上位層はいかに中間層を管理するのかに注意をはらっていますね。
その手段の1つに戦争を続けることで、富を消費して分配させないってぶっ飛んだことしてますね。
マジでクレイジーです。

あまり描写がありませんが ニュースピーク は相当ヤバいですね。
言葉そのものを削っていくってのは恐ろしい。
感情を言葉にしたのではなく、言葉があるから感情を理解できるっと、私は思っているので、言葉自体を削っていくと、感情がどんどんなくなっていきます。
作中では党に不利となる言葉を消していっているみたいですね。

2重思考は「1人の人間が矛盾した2つの信念を同時に持ち、同時に受け入れることができる」とありますが、それって思考停止状態なのではっと思いました。
党のいう事を矛盾なく受け入れるので思考停止という表現が正しい気がしますが、作中での言葉なのであんまり気にしてもしょうがないですね。
これは、どこぞの隣国を思い出しますね。
過去の歴史を改ざんしまくって、反日しまくっているのに、日本に旅行に行きます!みたいな。

いろいろと示唆に富むというか、規模はともかく似たような状態になっている所ってあると思います。
漫画版なので、かなり省いていそうですが、原作はもっと凄いんでしょうね。