イスラーム 生と死と聖戦

よかった。
構成も良く、最初はイスラームの入門、最後になるにつれ、著者の主張が出てきてて良い。

簡単ですが、以下の形でまとめられているんですね。

シーア派スンニ派の対立は、正当な指導者は誰なのか?で揉めてるんですね。
私自身は、外の人間なので、その事だけて揉めているわけじゃなさそうなんけど、って気はしますが。

これを読んでいると、神の視点ってのが、なんとなく理解できるような気がします。

後半の領域国民国家体制の話は勉強になります。

国家の法は、あくまでも人が作ったものであり、人が人を支配している。
イスラーム法(シャリーア)は、神と人との法であり、国家の法よりも上位に位置するといった考えは非常に面白い。
イスラーム法で否定されている事を、国家の法で肯定する事はできない事になっているんでしょうね。

日本に生まれ、育つと、国家があり、その法の下で信仰の自由が保証されているので、あくまでも宗教は国家の法の下に位置している。
何を最も優先するのか、の考え方が明らかに日本人と違うので、この考え方を知ることができたのは非常によかったです。

後書きも非常に面白い。
まさか他の人が出てきて、著者の 中田考 の解説をすごく丁寧にしています。
後書きって、本を書くに至った動機とかを著者本人が書くのが多いので、途中まで読んでいて混乱していました。