なぜ中国は民主化したくてもできないのか

うーん、できないわ(笑

国史は全然知識がないんですが、この本の構成はとても親切で読みやすかったです。
まず現在の状況を踏まえて、過去の出来事をみて結論に至るといった流れが非常にきれいです。

毛沢東の反省を踏まえて、鄧小平が終身制を廃止し、江沢民胡錦濤と続いたが、習近平が今になって皇帝制に戻るような事をしているのは、中国の歴史を踏まえると必然ですね。

中国の歴史を知れば知るほど、国としての形がまとまっていないので、中国の歴史と言えるのか?と疑問が深まるばかりです。
正確には、現在の中華人民共和国の土地で過去にあった出来事ぐらいに思えます。

殷、周を王の時代とし、秦から清までを皇帝の時代とわけ、王の時代は封建制で、皇帝の時代は中央集権制と、政治制度の違いからくるメリット、デメリットの考察は非常に面白かった。

秦の始皇帝は非常に有名で偉大な感じがしていましたが、秦という国は15年で滅亡していのはショックでした。
始皇帝から始まった皇帝制の毒が及ぼす影響の凄さも感じますね。

皇帝=天子という考え方も非常に面白い。
パッと見て宗教ですし、拡大志向を持っているあたりがカトリックにも似た何かを感じます。

随という時代も高句麗を潰そうと必死になっているのも面白い。
韓国系の本を読んでいるときに、歴史的にみて、韓国よりも北朝鮮に英雄と言われる人物が多いといった記述がありました。
たぶん、高句麗時代に目上である随(中国)に対して、戦争で勝っているので、そういう事なのかなぁと、点と点が繋がった気がしました。

清の時代では、日本は琉球処分朝鮮半島独立をやっていて、(清に)とんでもないダメージを与えていますね。
この流れを見ると、中国は、沖縄を手に入れたくてしょうがないですね。

清滅亡後の孫文袁世凱蒋介石毛沢東など激動は非常に良いですね。
ここらへんは別の本で詳しく読みたいです。

歴史を知り、その国の論理を知るのは非常に面白いですね。
彼を知り己を知れば百戦殆うからずという言葉がありますが、相手を知る事の重要性を学べます。
とてもいい本です。