幼年期の終わり

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

オススメされたので読んだ。

面白い。

人間に焦点を当てると、進化の最終地点の話ですね。
キリスト教的な哲学を知っていると、進化ではなく神の世界に一歩近づいたという事になるのかな。
どちらにも解釈できるようになっている。

まぁ、信仰に関係なく、ある一定年齢以下の世代が対象なので、アンチキリスト的だと思う。
この無慈悲感は著者の持ち味なのかな。

オーバーロードに焦点を当てると、とても悲哀な物語ですね。
あれだけの力を持っていても可能性がない以上、何のための力なのか。
オーバーロードが凄いのは、それでもなお可能性を諦めてない点だろうなぁ。
気高い。

この本の一番凄いと思ったのは悪魔という概念を「未来の記憶」とした所。
この発想は凄い。
SF的な理屈っていうのかな。
衝撃でした。

SFを理解するには、相応の知識や哲学を持ってないと完全には理解できないなぁと感じますね。
話だけでも楽しいんですが、ベースとなる哲学があって、それを昇華したり否定したりしている部分があるのに気づきました。